安徳天皇漂海記 を読んだんだ!

安徳天皇漂海記 (中公文庫)

安徳天皇漂海記 (中公文庫)

安徳天皇源実朝マルコ・ポーロとクビライ・カーンが作者の繊細かつ強引な力業によって幻想的に結びつくよ!史実の裏に奇想天外な話を創造し、不思議な説得力を持たせる手腕に脱帽だ。

おもしろかった。
そして泣けた。だって安徳天皇ですよ。まだ8才なのに壇ノ浦で「浪の下にも都のさぶらふぞ」ですよ!?さらに実朝様!儚げでお優しくて、語り手の忠臣にシンクロして泣けてしまうのだ。太宰治小林秀雄の実朝様も是非読みたくなった。
さらに南宋最後の少年皇帝。この子がまた泣ける…。儚く滅びていく人達の姿がとにかく胸に迫るのでありました。これはいい幻想歴史ファンタジー小説だった。