第弐拾伍話 「終わる世界」

ここから物語が解体していくエヴァ。本放映でこの回を見た後はすごい凹んだ。「どうしようもないあなたの世界なのよ」って自分に言われてるように聞こえたので。もちろん劇場版の「気持ち悪い」も自分に言われてるように思えて凹みました。割と素直な子じゃろ?(いや、アホだ)

さすがに10年たったら別に凹まなくなった。というか、深夜2時の回を見たので眠くてちゃんと頭がついていかなかったのかも。


冒頭、「何故殺した」のテロップに責めさいなまれるシンジ君。「だって仕方なかったんじゃないか!」「彼は使徒だったんだ!」そう思いこもうとしている悲痛な叫びが胸に迫る…と同時に絶叫最高!モエー!とか思える器用な人種モエヲタです。生きててすいません。

パイプ椅子で絶叫という分野では他の追随を許しませんな碇シンジ君は!誰も追随してきてないとかそういうことは置いといて。

「何が怖いのか?」 自分が嫌われること。 誰に? 誰だ? それは…父さんだ!父さんに捨てられた 嫌われたんだ。って流れ何回見てもすごすぎ。シンジ君の関心事のトップはやはりゲンドウなのか…ゲンドウ羨ましすぎる。

「結局僕は、これに乗るしかないのか…好きな人を殺してまで」ってのも聞き捨てならないですね。「好きな人」とハッキリきた!


他のアニメの主人公は人のためにがんばって、それを良しとするのに、シンジ君は「他人のためにがんばってるんだ!と思うこと自体、楽な生き方してる」とまで追求されて、容赦ないアニメの主人公は大変だなあ、とか変な感想を持った。

あと好きなシーンは弐号機パイロットが言いたい放題言ってたら「それはあなたも同じでしょ」って綾波さんが後ろから冷水ぶっかけるかのようにツッコミ入れるところです。劇場版でもそうやってつっこんでくれたらよかったのに!

それから第拾伍話の結婚式の三次会の帰り道の映像を使ってるんだけどあのときと違う話をするミサトさんと加持さんのシーン。ミサトさんが顔を覆う手の間から恨めしそうな目で「で、自分を大切にしろって言うんでしょ」って言うシーンが何故か好きでしてな。なんかゾクゾクするのがイイ!


ラストのシンジ君がパイプ椅子に座って回りにいろんな人がいていろんなことを言われるところ、椅子に座ってるシンジ君が舞台に立ってるシンジ君を見ているというカットがあって一つの画面に二人もシンジ君がいるなんてなんて素晴らしいんだ!と思います。大好きだこのカット。

そして椅子に座ったシンジ君(すごくかわいい)を中心にしてネルフの面々が立ち位置をぐるぐる変えながら切れ切れに喋るところは、立ち位置を意識しながら見ると、さっき冬月さんが立った位置に今度はラングレーが!とか皆さん場所交代が忙しそうでなんかおもろい。