第四話「雨、逃げ出した後」

シンジ君家出するの巻。参話に引き続き、とにかく鬱で全く覇気のないボソボソ喋る碇君がたくさん見られて素晴らしい回です。

  • 第四使徒シャムシエルを倒してから5日後、シンジ君は、自身の部屋を綺麗さっぱり片づけて、家出しちゃうのでした。とりあえず、ここでチェックしたいのは、机の上に残された宛名に「葛城ミサト様」って書いた封筒。シンジ君の筆跡が確認できるのってここぐらいですか?(何故か質問者)とりあえず、彼は私よりずっと綺麗な字を書くということがわかりました。
  • ミサトさんの部屋。汚い。親近感。それにしても、ロゴ入り目覚まし時計とか造ってる場合かネルフ。時計以外にも、風呂桶とかマグカップとかノベルティーが充実してて、何やってんのこの特務機関、と思いますね。人類の命運をかけてる組織がそんなことに予算使ってんじゃねえ!
  • タイミング悪く、家出した日にプリント持って訪ねて来るトウジ&ケンスケ。第参話終了時で3日も悶々としてたトウジ、さらにあと2日悶々として電話かけられず、ケンスケについてきてもらってようやく家を訪ねられたのかと思うと微笑ましいが、ちょっと遅かった。
  • 環状線に一日乗りっぱなしのシンジ君。彼はどこにも帰れないんだと思うと切ないな。アニメでは第三新東京市に来る前のことはほとんど言わないけど、もはやそこは彼の帰るところではないのでしょうな。それはそれとして、長時間シンジ君の隣に座ってた無職っぽいオヤジちょううらやましい。
  • 環状線に乗り続けて、ついに終電。ふと顔を上げて出て来た言葉が「帰らなきゃ。」感情が欠落してしまったかのような抑揚の無い呟きがそりゃもう絶妙であります。緒方さんグッジョブ!(いつも)
  • 夜の繁華街、あんな可愛い少年が一人で歩いて大丈夫か!?と心配になるよ。そしてオールナイトの映画館でイチャイチャバカップルを見かけて不愉快そうな顔がかわいいにゃー。「こちとらどうしようもない状況に陥ってるのにそっちは楽しそうですね!」系のムカつきだと解釈した。そんで、映画館の廊下のベンチで横になるシンジ君。あんな可愛い少年がそんなとこで寝てて大丈夫か?と(以下略) ところで、この上映している映画ってなんかB級パニックSF映画っぽくていいね。
  • 第三新東京市の郊外をあてもなく歩き続けるシンジ君。市街地はハイテク人工物ばかりだけど、実は自然が豊かな第三新東京市。ヒマワリ畑とか綺麗だな。崖の柵を越えたところに座って風に吹かれて黄昏れるシンジ君。危ないよう!落ちたらどうすんだ。でも、もしかしたら、自分から飛び降りる気はないけど、落ちても別にいいかな…みたいな気持ちだったのかもしれないなあ。とりあえず、霧が立ちこめた白い世界で遠くを見る横顔モエーと言っておこう。
  • 綾波の検査をしているリっちゃんと、ミサトさんシャムシエル戦直後の回想シーン。何をいわれても「はい」とか「別に…」としか答えないシンジ君にミサトさんご立腹。このときのシンジ君の感情の入ってない「はい」が本当にただ口先だけで答えてるんだなあーとわかってすごいよ。
  • 一人芝居が異様に上手いケンスケ。いつもこんなことやってんの?転校生を見かけて宿営地に招く。たき火を囲んで、会話。このときのケンスケがかなりシンジ君に気を遣ってて良いヤツだなあーと思う。特に、自分の迷彩服を貸してあげてるのがポイント高いね。シンちゃんが寒そうだったので肩にかけてあげたのか?やるな。当然のようにシンジ君の家族構成を知っているのも流石だ。ご飯もあげて、テントにも泊めてあげてますよ。ケンスケ素敵!
  • たき火のそばでケンスケと会話してるときのシンジ君の儚げな表情が良いのですよ。まつげ長いー。美人さんだ。
  • 濃い霧の中、テントを取り囲むネルフ保安諜報部。ここ見るたびに、「うしおととら」に出てくる法力僧の技「三日月の陣」を連想しちゃってしょうがないのだった。だからどうした、と言えよう。
  • 無抵抗で諜報部に連行されていく諦めきったシンジ君の横顔に狂おしいほどモ・エ!で、残されたケンスケですよ。気分は、シータが軍に連れて行かれたときのパズーだと思いますよ。学校でトウジに見てただけだったことをなじられて、勝てない喧嘩するヤツはバカなの、とか言ってますがあれは結構ショック受けてますよね。目の前で連れて行かれたんだもんなあ。ケンスケ×シンジもイケルよーとかなんとかほざいてみたりして。
  • ネルフに連行されて独房みたいなとこに入れられたシンジ君。ミサトさんがご立腹でやってくる。このときのミサトさんの最初は苛立ちを抑えてるつもりが相手の反応によってどんどん激昂していくっていう演技が上手すぎる!すごいよ三石さん。そんでまた、言ってることが完全に逆ギレだと思うのだがどうか。本当は「あんな気持ちでエヴァに乗ってたら絶対死ぬもの」とシンジ君の心配をしてたはずなのに、彼に言った言葉を聞いてると「乗るんだったらやる気満々で乗れ!やる気のないやつぁいらないんだよ!」みたいな感じに聞こえるのだった。
  • 駅で待っててくれたケンスケ&トウジ。持つべきものは友達だよ。まだ友達一歩手前だけど、本当にイイ奴らさ。「わしの事も殴ってくれ!」とか青春劇場。後ろで見てる諜報部の人が苦笑してるのが芸が細かい。
  • エヴァの中で苦しんでる姿を見てるから碇が街を離れることに対して何も言えない、とトウジ。第三新東京市に来て始めて、シンジ君のことを肯定してくれる人達出現。それがもう街を離れるときだっていう皮肉。
  • 「殴られなきゃならないのは僕だ!僕は卑怯で…臆病で…ズルくて…弱虫で…」この街に来て始めて心情を吐露するシンジ君。可愛すぎるんじゃよー。シンジ君の涙声が大好物な私にとってこれはもう本当に素晴らしいセリフですよ。そして、取り押さえる諜報部の人らが羨ましすぎますよ。私だってどさくさに紛れてシンジ君の細い体をがっちり押さえ込みたいですよ。
  • 仮にこのままシンジ君が本当に行ってしまったらトウジとケンスケにとってはいつまでも忘れられない転校生になるんじゃないかしら?と思った。だってお別れがあれだもの。超絶かわいい泣き顔だもの。いや、思い出になる前に使徒に負けて人類滅亡か。
  • 政府特別列車を待つシンジ君のカバンの持ち方が乙女な件について。ところで、これはテントに置いていったのをケンスケが持ってきてくれたからあるカバンなので、本来なら手荷物もなにも無しってこと?全部宅配で送っちゃう予定だったってこと?とかどうでもいい細かいことが気になっていた。
  • シンジ君が自分の気持ちを素直に言い表せないことにやっと気がついて急いで来てくれたミサトさん。間に合わなかった…!と思ったら乗ってなかった。たっぷり約50秒見つめ合う二人。「ただいまっ」「おかえりなさい」良かったなあ!良かったなあ!
  • 二人が見つめ合う間、駅のアナウンスが色々あって、林原さんのアナウンスは流石のうまさなのだが(ここまでの話で、綾波のセリフより各種アナウンス役の方が多いよ絶対)、ゲンドウ役の立木文彦氏のやたら気さくそうな列車到着案内放送がなんか妙で笑ってしまうのだ。
  • 第四話って、実はBGMを全然使ってないのがすごいなあ。今回、劇中で流れる曲は、その場でも流れてる、登場人物達にも聞こえてる曲なんだよね。(シンジ君のS−DATとか、映画の劇伴とか、駅かどっかの有線で流れてる演歌っぽい曲とか)