まあだだよ をレンタルDVDで見た。

内田百間先生*1の随筆を元にした映画。百間先生が教え子や奥さんに愛されまくっていた。見終わってほんわかする映画だったぜ。
ただ、私が2冊*2ほど百間先生の随筆を読んで持ったイメージと、この映画の先生はあんまり重ならないな。映画の先生は、すごくかわいらしいお爺ちゃんでした。随筆の中の先生は、ユーモラスでいながら、もっと偏屈で無愛想っぽい感じがする。映画には借金エピソードが全然ないのも残念なところ(?)


愛猫ノラがいなくなる後半は涙なしには見られない。「ノラや」読んでるときも思ったけどなんで帰ってきてやらないんだノラ!こんなにもお前のことを愛してる人がいるというのに!縁側からノラがいなくなった庭の茂みをぼうっと見やる先生の姿に泣ける…。還暦過ぎた男性がいなくなった猫のことを一日中考えて泣き暮らすって、感受性が強すぎだよ先生!

あと、地主。
百間先生の家の隣の土地を買おうとした人が、そこに凄く高い建物を建てようと計画しするのだが、それが建ってしまうと百間先生の家が一日中、日陰になるので、百間先生のことを考えて土地を売るのを断固としてやめるあの地主!土地が売れないと自分が困るというのに。なんていい人なんだ。じーんとした。
その後のフォローをする百間先生の教え子もいいな。

いいものを見た。特に地主の人のエピソードのことはたぶんこれからもずっと忘れないと思う。

*1:「けん」の字は本当は「門」なかに「月」みたいなんだけど出ないや

*2:ノラや」と「百鬼園随筆