「手塚先生、締め切り過ぎてます!」を読んだんだ!

手塚先生、締め切り過ぎてます! (集英社新書)

手塚先生、締め切り過ぎてます! (集英社新書)

結論からいうと、なんかもう、やたらとおもしろかった。全ページ興味深すぎてどうしようっていう。手塚治虫について書いた本はいっぱい出てるけど、これが一番、生の漫画家・手塚治虫に触れられる本じゃないかと思う。

なにしろ著者が、手塚番編集者からアシスタントへ転身したというすごい経歴の持ち主。編集者から見た手塚治虫もアシスタントからみた手塚治虫もバッチリですよ。
手塚先生の身近でずっとお仕事してらしただけあって語られるエピソードが細かいのなんのって。ファン垂涎のお話の数々っすよ。昭和20年代の月刊誌が隆盛していた時代から、手塚先生晩年…までのいろんなお話がつまってます。

手塚マンガの中でも「三つ目が通る」が特に大好きな私としては、三つ目の見開きカラー扉絵がお蔵入りになりそうだった事件とか大変興味深かった。
この本で、アニメブラック・ジャックで、B・Jの髪の毛のバサバサ具合を唯一原作マンガどおりに再現できる作画監督であるところの瀬谷新二氏*1手塚プロアニメ部の、バンダーブックの時の新人だったということを知り、どおりで手塚タッチの再現がハンパないわけだ!と納得したりした。

著者の方の描いた挿絵が所々に載ってるのですが、これがまた手塚マンガで見慣れた背景のタッチで、手塚マンガはアシスタントの方々の力もあって成立していたんだなあーと実感した。

*1:平成アトムアニメのキャラデザっていった方がわかりやすいぜ!